【日向土】軽石・ボラ土との違いと使い分け|pH・粒径から選ぶ

軽石の詳細

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「日向土を混ぜておけば、水はけは良くなるはずだ」

そう考えて鉢に入れたことは、ありませんか。

日向土は「硬くて崩れにくい軽石」として売られています。赤玉土のように何年かで細かくならない。だから水と空気の通り道が長持ちする。たいていはそう説明されています。

私も、そう理解して使っていました。

ところが、土木の分野で軽石を調べた報告を読むと、逆のことが書いてあります。軽石は「破砕しやすい」と書かれているのです。つぶれやすい、という意味です。

つぶれやすいはずのものが、鉢の中では崩れない。ここが今回のいちばん大事な部分です。理由は「硬いから」ではありませんでした。

日向土とボラ土の違いも、調べてみると、よく言われている説明とは合いませんでした。

この記事では、日向土が何でできていて、鉢の中で何が起きているのかを、実際に測られた数字をたどりながら見ていきます。読み終わるころには、粒の大きさと量を自分の環境に合わせて決められるようになります。


目次

日向土ってなに?

日向土とは、宮崎県などで採れる軽石を、粒の大きさをそろえて園芸用に商品化したものです。まず軽石そのものから見ていきましょう。

火山が噴火すると、どろどろに溶けた岩が空へ噴き上げられます。その中には、炭酸飲料の泡のように気体が溶けこんでいます。空中で急に冷えると、気体が抜けきる前に固まります。泡だらけのまま固まった岩、それが軽石です。

だから軽石の中身はスカスカです。水に浮くものがあるのは、そのためです。

ここで、この記事の数字について先にお断りしておきます。これから出てくる測定値は、袋詰めされた日向土そのものを測ったものではありません。鹿児島県鹿屋市で、ボラの層を掘って調べた報告の数字です。日向土そのものを測って公開している資料は、探した範囲では見つかりませんでした。

同じ軽石なので、性質を知る手がかりにはなります。ただし産地も、製品としての選別のしかたも違います。「日向土はこの数字だ」ではなく「軽石とは、だいたいこういうものだ」として読んでください。

成分も調べられています。鹿屋のボラでは、重さの約60パーセントが珪酸(けいさん。ガラスの主な材料でもある成分)でした。次に多いのが酸化アルミニウムで、20〜25パーセント。鉱物としては、ガラス・石英・長石でできています。

つまり軽石は、ガラスに近い成分の、泡だらけの石の粒です。土ではありません。日向土も名前に「土」と付いていますが、粘り気のある土の成分は、ほとんど入っていません。

「ボラ」は地層の名前、「日向土」は商品の名前

ここで、呼び名の話を先に片づけます。ここがずれていると、あとの話が全部ずれるからです。

園芸店では「日向土」と「ボラ土」が並んでいます。「大粒のものをボラ土と呼ぶ」という説明をよく見かけます。ところが公的な資料を読むと、まったく別の分け方が書かれていました。

鹿児島県が出している土壌の資料に、こう書かれています。

主に御池および桜島起源の軽石層の総称である。約4,600年前に御池から噴出した軽石を御池ボラ,大正時代に桜島から噴出した軽石を大正ボラ,同じく安永時代に噴出した軽石を安永ボラ,また,霧島から1,000年前に噴出した黒褐色の軽石は焼ボラと呼ばれ,それぞれ区別している。

鹿児島県「Ⅲ 鹿児島県の土壌の概要」

ボラは「いつの噴火で降ってきた軽石か」で名前が分かれています。御池ボラ、大正ボラ、安永ボラ、焼ボラ。積もった時代の違いです。

ここは正確に書いておきます。この資料は、粒の大きさについては何も書いていません。「粒の大きさで分けるのは間違いだ」と否定しているのではなく、触れていない、というだけです。資料が使っている分け方は、噴火の時代のほうだった。そう読むのが正しい読み方です。

ボラは地面の下に層になって積もっています。国も、この層を土壌の名前として扱っています。農林水産省が出している一覧に、鹿児島県に分布する土壌として「シラス・ボラ」と書かれています。これは、災害が起きやすかったり作物が育ちにくかったりする土のある地域を、国が指定するための一覧です。

この一覧の宮崎県の欄には、ボラは載っていません。ただし、これを「宮崎県にボラはない」と読んではいけません。この一覧は、国が地域を指定するためのもので、ボラがどこに広がっているかを描いた地図ではないからです。

分布は鹿児島県だけではありません。土木の調査報告には、こうあります。

ボラ層は,桜島および大隈半島中北部から宮崎県南西部の志布志・都城にかけて特に厚く分布しておりその他の地域ではまれである。

長谷川昌弘ほか「降下軽石の土質工学的性質についての調査」土と基礎 49-3

ボラ層は宮崎県にも広がっています。「ボラは鹿児島、日向土は宮崎」という県での線引きも、うまくいきません。

整理すると、こうなります。ボラは地層につけられた名前です。日向土は、園芸用に袋詰めして売るときの商品の名前です。分けている軸が、そもそも違います。同じものを地質の側から呼ぶか、売り場の側から呼ぶかの差だと考えると、すっきりします。

お店が大粒を「ボラ土」として売っていることは実際にあります。それは売り場の中での区別で、資料の上での区別ではない、ということです。

「日向石」という、まったく別の石もある

ここまで、日向土・軽石・ボラの関係を見てきました。もうひとつ、紛らわしい名前があります。「日向石」です。

「日向土」という名前は、宮崎県と鹿児島県の一部にあたる旧国名「日向国(ひゅうがのくに)」から来ているとされています。日向国で採れる軽石だから、日向土。そう説明されることが多い名前です。

ところが「日向石」で調べると、まったく別の場所の、まったく別の石が出てきます。

日向石(ひなたいし)は、神奈川県伊勢原市日向で採掘される凝灰岩である。

Wikipedia「日向石」

伊勢原市も、地域の石材としてこの石を紹介しています。

地域特有の自然石である「日向石」と呼ばれる石材

伊勢原市「日向石歴史文化体験ツアー」

火山が噴き上げた泡だらけの石を砕いて選別した、宮崎県の軽石。庚申塔や地蔵に彫られてきた、神奈川県の凝灰岩。「日向」という同じ字を使っているだけで、産地も岩石の種類も別物です。どちらも火山の噴出物からできている点は共通していますが、採れる場所も、できた時代も違います。

「日向」は「日の当たる場所」という意味の地名で、全国のあちこちにあります。同じ漢字の地名が離れた土地に何度も出てくること自体は、珍しくありません。

名前正体採れる場所
軽石泡だらけの火山岩の総称各地の火山
ボラ軽石が積もった地層の名前鹿児島県〜宮崎県南西部
日向土ボラなどを園芸用に選別した商品宮崎県(旧・日向国)が名前の由来
日向石凝灰岩の石材。軽石とは別物神奈川県伊勢原市日向
名前の整理。「日向土」と「日向石」は漢字が似ているだけで、別の場所で採れる別の石です。

買い物や検索でこの名前を見かけても、混同する必要はありません。園芸で使うのは日向土、つまり軽石のほうです。

軽石の粒は、じつは強くない

ここから、この記事の本題に入ります。

鹿児島県の鹿屋市で、ボラの層を掘って調べた報告があります。そこに書かれた説明が、園芸で言われていることと食い違っていました。

その粒子中には多量の空隙を有しており,破砕しやすい粒径のそろった軽石を主体とした粒状土であり,透水性が高いことが特徴となっている。

長谷川昌弘ほか「降下軽石の土質工学的性質についての調査」土と基礎 49-3

「破砕しやすい」。つぶれやすい、と書かれています。硬くて丈夫、ではありません。

同じ文の前半に「建設省の設計積算上の分類では礫質土に分類されている」ともあります。お役所の分類の上では小石のなかまだが、中身は空っぽで壊れやすい。そこに注意しなさい、という書き方です。

これは、この報告だけの見方ではありません。北海道で採った火山灰の粒を調べた論文も、冒頭でこう書いています。「火山性粗粒土は、その構成粒子が多孔質で脆弱なため比較的低い圧力レベルでも粒子破砕しやすい粒状体である」。火山性粗粒土は、火山から出た、砂や小石ほどの大きさの土のことです。多孔質は穴だらけ、脆弱はもろい、という意味です。

ここで使われた材料は北海道の火山灰で、日向土そのものではありません。別々の産地で確かめた、という話でもありません。どちらも火山から出た粗い土という同じ仲間です。それでも、穴だらけの粒はもろいという見方が、別の調査でも同じように書かれています。

どれくらい穴だらけなのかも、測られています。鹿屋のボラでは、粒と粒のあいだも含めて、全体のおよそ7割がすきまでした。残りの3割だけが、実際の石の部分です。乾いた状態の重さは1リットルあたり約0.63〜0.72キログラム。水よりずっと軽い数字です。

穴だらけで、もろい。ここまでだけ読むと、鉢の中でもすぐ崩れそうに思えます。

では、なぜ鉢の中では崩れないのか

同じ報告に、粒をつぶす試験の結果があります。ここが答えでした。

比較的大きな粒子を直径3.0 cm,高さ6.0 cm の供試体に成形し,一軸圧縮強度試験を実施した。ボラ粒子の一軸圧縮強度 qu は19.3〜22.3 kgf/cm² が得られた。

長谷川昌弘ほか「降下軽石の土質工学的性質についての調査」土と基礎 49-3

大きめの粒を削って形を整え、上から押しつぶした試験です。単位を言葉にすると、こうなります。

1平方センチメートルあたり、19〜22キログラムの力をかけて、やっとつぶれる。

指の先ほどの面積に、10キロの米袋を2つ乗せる。それくらいの力です。

では、鉢の底にはどれくらいの力がかかっているのでしょうか。これは自分で計算できます。

深さ30センチの鉢を考えます。底の1平方センチメートルの真上には、高さ30センチ分の用土が乗っています。体積は30立方センチメートルです。

湿った状態の重さは、同じ報告に載っています。1立方センチメートルあたり約1.06グラム。かけ算すると、およそ32グラムです。

並べてみます。

1平方センチメートルあたりの力
ボラの粒がつぶれる力(実測)19,300〜22,300 グラム
深さ30センチの鉢の底にかかる力約 32 グラム
つぶれる力は長谷川昌弘ほか(2001)の実測値。鉢の側は、同じ報告の湿った状態の重さ(1立方センチメートルあたり1.06グラム)と深さ30センチから計算した値です。

およそ600倍から700倍の開きがあります。深さ30センチはかなり深い鉢ですし、用土の重さも重めに見積もっています。それでもこの差です。

つまり、こういうことです。

これだからこうなる
軽石の粒は穴だらけでもろい

土木の分野では「破砕しやすい」材料に分類されている

これだからこうなる
それでもつぶすには1平方センチあたり19キロ以上が要る

もろいと言っても、指で潰せる程度の話ではない

これだからこうなる
鉢の底にかかるのは1平方センチあたり約30グラム

つぶすのに必要な力の、およそ600分の1しかない

これだからこうなる
だから、上から押される重さで粒がつぶれることはない

硬いからではなく、つぶすほどの重さがかかっていない

「硬いから長持ちする」ではありません。「つぶすほどの重さがかからないから長持ちする」のです。

ここで止めると言いすぎになるので、続けます。いま比べたのは、鉢の底ぜんたいに平均してかかる力です。ところが実際の粒は、面ではなく点で当たり合っています。その一点には、平均よりずっと大きな力が集中します。

だから「重さでは絶対に壊れない」とは言えません。言えるのはここまでです。鉢の重さは、粒をまるごと押しつぶす側の原因ではない。では何が壊すのか、という話に進みます。

この差は、言葉遊びではありません。硬さが理由なら、硬い資材を選べばいい話になります。力の大きさが理由なら、話は変わります。鉢という環境そのものが、粒をつぶさない場所なのです。

では、何が用土を細かくするのか

ここで新しい疑問が出てきます。鉢の中で粒がつぶれないのなら、赤玉土が何年かで細かくなるのは、なぜでしょうか。

丸ごと押しつぶされているのではなさそうです。別の壊れ方が知られています。

乾かして、水に浸ける。それを繰り返すだけで、石は細かくなります。スレーキングと呼ばれる現象です。

思いつきの話ではありません。土木の世界には、これを測るための試験の手順が決められています。地盤工学会の「岩石のスレーキング試験方法(案)」では、こう定義されています。

スレーキング 乾燥・水浸によって供試体に生じる細粒化などの形状の変化。

地盤工学会「岩石のスレーキング試験方法(案)」JGS 2125

手順も具体的です。24時間以上かげ干ししてから、40度で48時間乾かす。そのあと、石の頭より1センチ上まで水を注ぐ。そして決められた時刻に、形の変化を目で見て記録します。直後・30分後・1時間後・2時間後・4時間後・6時間後・24時間後の、7回です。

崩れ方は0から4までの5段階で採点されます。数字が大きいほど、大きく崩れたということです。

やっていることは、鉢で毎日起きていることと同じです。水をやって、乾いて、また水をやる。赤玉土が数年で細かくなるのも、この繰り返しにさらされ続けた結果だと考えると、つじつまが合います。

ただし「これが主な原因だ」と決めつけることはできません。この試験方法は岩石のために作られたもので、鉢の用土を対象にしたものではないからです。鉢の中では、水やりのときの水の勢いや、根が伸びて押し広げる力も働いています。どれがいちばん効いているのかを測った資料は、見つかりませんでした。

ここで正直に書いておきます。日向土と赤玉土のどちらが乾湿の繰り返しに強いのかを比べた測定データは、私が探した範囲では見つかりませんでした。公的機関や大学の資料をたどりましたが、日本語で公開されているものにはありませんでした。

だからこの記事で言えるのは、ここまでです。鉢の中で日向土がつぶれることはない。ただし乾湿の繰り返しに対してどうかは、数字では確かめられていない。「絶対に崩れない」と書いてある説明を見かけたら、その根拠がどこにあるのかを確かめてください。

水と空気は通すのに、肥料は残らない

次に、日向土を入れると鉢の中で何が変わるのかを見ます。

鹿屋の調査では、粒の大きさの内訳も測られています。2ミリより大きい粒が54.1パーセント、0.074〜2ミリの砂の大きさが41.7パーセント。それより細かい泥の成分は、合わせて4.2パーセントしかありませんでした。

ほとんどが砂より大きい粒で、泥がほぼ入っていない。これが水はけの正体です。粒が大きければ、粒と粒のすきまも大きくなります。水はそこを通って落ちていきます。

粘り気の試験では「NP」という結果が出ています。こねても形にならない、という意味です。粘土が入っていないので、当然の結果です。

面白いのは、水の通りやすさが時間とともに変わったことです。水の通りやすさは透水係数という数字で表します。条件をそろえたとき、流し始めは1秒間に0.034センチ進む速さでした。ところが18日間流し続けると、1秒間に0.001センチまで落ちました。約34分の1です。

なぜ落ちたのかは、報告に書かれていません。そしてこれは、地層をそのまま切り出した試料での話です。鉢の中で同じことが起きるかどうかも、この資料からは言えません。

そして、水を通す性質には裏側があります。鹿児島県の資料は、ボラについてこう書いています。

保水力,養分保持力が極めて小さい。

鹿児島県「Ⅲ 鹿児島県の土壌の概要」

養分保持力は、肥料を土の中にとどめておく力のことです。それが「極めて小さい」と書かれています。

理由は、ここまでの話でつながります。肥料の成分は、粘土や腐植の表面にくっついて鉢の中にとどまります。日向土には、そのくっつく相手がほとんどありません。だから水をやるたびに、肥料は水と一緒に流れ出ていきます。

これは欠点ではなく、性質です。水を通す力と、肥料をとどめる力は、両立しません。日向土は前者に振り切った資材です。だから腐葉土や赤玉土と組み合わせて使うことが前提になります。

では、どれを選ぶか

ここまでのしくみを踏まえて、選び方に入ります。

日向土選びで迷うのは、たいてい粒の大きさです。ここは考え方がはっきりしています。粒が大きいほど、すきまも大きくなる。だから水が速く抜ける。それだけです。

粒の大きさすきまの様子向く場面
小粒すきまが小さく、水が残りやすい小さい鉢、乾きにくい室内、水を好む植物
中粒その中間迷ったらここ。鉢の基本用土として使える
大粒すきまが大きく、水が速く抜ける鉢底の排水層、屋外、大きい鉢
粒が大きいほどすきまが大きくなるという関係にもとづく整理です。粒の大きさごとの測定値があるわけではありません。

迷ったら中粒です。粒の揃った日向土の中粒なら、鉢の基本用土としてそのまま使えます。

もうひとつ、環境で決まる部分があります。同じ配合でも、置き場所が変われば結果が変わります。

置き場所乾き方日向土の量
室内・日かげ乾きにくい少なめ
屋外・風通しが良い乾きやすいやや多め
夏の高温期蒸れやすい水はけ寄りに調整
乾きにくい場所ほど水はけを足し、乾きやすい場所では入れすぎないという考え方です。数値の根拠がある配合比ではありません。

具体的な割合を知りたい方も多いと思います。ただ、「何パーセント混ぜるとどうなるか」を測った資料は見つけられませんでした。よく見かける「3割」といった数字も、出どころをたどれませんでした。

そこで、割合を覚えるのではなく、判断のしかたをおすすめします。まず少なめから始めて、水やりのあと鉢がどれくらいで乾くかを見る。乾くのが遅すぎるなら次から増やす。早すぎるなら減らす。これがいちばん確実です。置き場所も鉢の大きさも植物も、人によって違うからです。

同じ軽石系の資材であるパーライトと迷うこともあります。どちらも水はけを足す方向の資材です。両者を同じ条件で測り比べた資料は見つけられなかったので、ここでは優劣を書きません。

使うときの注意

ここまでのしくみから、気をつける点は3つに絞れます。

単独で使わない。肥料をとどめる力が極めて小さいので、日向土だけで育てると、肥料が効きません。赤玉土や腐葉土と組み合わせます。

入れすぎない。水はけが良くなるということは、水切れも早くなるということです。乾燥を嫌う植物に多く入れると、逆に弱らせます。

肥料は流れ出る前提で考える。水やりのたびに肥料は少しずつ出ていきます。一度にたくさん与えるより、少しずつ足していくほうが合っています。

根腐れとの関係にも触れておきます。根腐れは、土の中の空気が足りなくなって根が呼吸できなくなることから起きるとされています。日向土を入れると空気の通り道は増えます。ただし入れれば防げるというものではありません。入れすぎて乾きすぎれば、それはそれで根を傷めます。鹿沼土でも同じことが起きます。

まとめ

日向土は「硬いから崩れない資材」ではありません。

軽石の粒は、泡だらけで穴が多く、土木の報告では「破砕しやすい」と書かれています。もろい側の材料です。それでも鉢の中で形を保つのは、粒をまるごとつぶすほどの重さが、鉢にはかかっていないからです。

要点を整理します。

  • 日向土は軽石の一種。成分の約6割は珪酸で、ガラスに近い。土ではない
  • 「ボラ」は地層につけられた名前。いつの噴火で降ったかで御池ボラ・大正ボラなどに分かれる。粒の大きさによる区別ではない
  • ボラ層は鹿児島県から宮崎県南西部にかけて分布する。県では線引きできない
  • ボラの粒をつぶすには1平方センチあたり約19〜22キログラムが要る。鉢の底にかかる平均の力は約30グラム
  • 乾かして濡らすことの繰り返しで石が細かくなる現象(スレーキング)には、土木の試験規格がある。鉢の中で何が主な原因かは、測った資料が見つからなかった
  • ボラでは全体の約7割がすきま。粒の54パーセントが2ミリ以上で、泥の成分は4.2パーセントしかない
  • 肥料をとどめる力は極めて小さい。単独では使わず、赤玉土や腐葉土と組み合わせる
  • 「日向石」は神奈川県伊勢原市日向で採れる凝灰岩の石材。宮崎県産の日向土(軽石)とは産地も岩石の種類も別物

粒をつぶすほどの重さが鉢にはかからない → 粒が形を保ち続ける → 粒と粒のすきまが残り続ける。

→ これだから、水と空気の通り道が長持ちします。

明日からできることを、3つだけ挙げておきます。

  1. 店頭で「大粒だからボラ土」という説明は当てにしない。ボラは地層につけられた名前で、粒の大きさによる区別ではありません。袋の粒径の表示を見てください。
  2. 単独で使わず、赤玉土や腐葉土と組ませる。肥料をとどめる力が極めて小さいので、日向土だけで育てると肥料が効きません。まずは中粒から。
  3. 水やりのあと、鉢が乾くまでの時間を見る。乾くのが早すぎるなら入れすぎです。水はけが良くなるということは、水切れも早くなるということです。

各用土について詳しく知りたい方はこちら

参考文献

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この記事を書いた人

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よた|YOTA PLANT BASE
植物の状態を「なぜそうなるか」で解説する園芸ブログを運営。

試行錯誤の中で再現性の低さに課題を感じ、感覚に頼らない「理屈で育てる園芸」を追求。
用土・水分・栄養の関係を軸に、構造とデータから再現性の高い栽培方法を検証しています。

農林水産省・研究機関の一次情報をもとに、初心者でも再現できる形で発信しています。

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